がんの基礎知識

ページID 1015150  更新日 令和6年4月1日

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がんについて知っておきたいこと

誰でもなる可能性がある

がんになる確率

 現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。

完全に防げるわけではないが、なりにくくすることはできる

 生活習慣や感染など、さまざまな要因でがんになると考えられています。
 がんを完全に防ぐことはできません。しかし、生活習慣の見直しや、がんの原因となることが分かっているウイルスや細菌への対策などによって、がんに「なりにくくする」ことはできます。
 

がんという病気そのものはうつらない

 がんは、遺伝子が傷つくことによって起こる病気です。一部のがんの発生にはウイルスや細菌への感染が関係している場合がありますが、がんという病気そのものが、咳やくしゃみなどの飛沫や、他人との接触などによって、人から人に直接うつることはありません。

高齢化の影響を除くと、がんによる死亡は減っている

 がんになる人の数とがんで死亡する人の数はいずれも年々増加していますが、その主な理由は、人口全体に対する高齢者の割合が増えていること(高齢化)です。高齢化の影響を除いたときの、一定期間中にがんになる人の割合(年齢調整罹患率)は、2010年ごろからほぼ横ばいに、がんで死亡する人の割合(年齢調整死亡率)は1990年代半ばをピークに減少しています。

がんで死亡するリスクは、科学的根拠に基づくがん検診を受けることで下げられる

 がんの種類にもよりますが、一般的に、がんは進行するとより治りにくく、また、がんそのものやがんの治療による体への負担もより大きくなります。科学的根拠に基づくがん検診を受けることでがんを早い段階で発見し、適切な治療を受けることが可能になります。
 がん検診には、受診することによる利益(がんによる死亡のリスクの減少)だけではなく、放射線被ばくなどの不利益もあります。利益(メリット)と不利益(デメリット)のバランスを科学的根拠に基づいて吟味し、国が推奨しているのは、現在(2023年)、大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸けいがんの5つのがん検診です。

がん(悪性腫瘍)と良性腫瘍

 遺伝子に生じる「傷」を「変異」といいます。この傷は、細胞分裂時に偶然生じることもあれば、喫煙、ウイルス・細菌の感染、化学物質や放射線などの外的要因によって生じることもあります。遺伝子の変異によって細胞が無秩序に増え続け、できた細胞のかたまりを「腫瘍」といいます。腫瘍は大きく「悪性腫瘍」と「良性腫瘍」に分けられます。

悪性腫瘍

 細胞が無秩序に増えながら周囲にしみ込むように広がったり(浸潤しんじゅん)、血管などを介して体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)する腫瘍です。
 放っておくと全身に広がり、体にさまざまな悪い影響をもたらすため、ほとんどの場合、治療が必要になります。悪性腫瘍のことを「がん」ともいいます。

良性腫瘍

 浸潤や転移をすることがなく、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと大きくなる腫瘍を良性腫瘍といいます。
 生涯にわたって症状がでないものや、生命に影響を及ぼさないものもあります。このため、腫瘍のできた場所や大きさ、種類などを総合的に判断し、必要に応じて手術(外科治療)を行います。多くの場合、完全に取りきることができれば再発することはありません。
 

がんの分類

 がんは、がんが発生した細胞の種類によって、癌や肉腫、造血器腫瘍(血液のがん)などに分類されます。

※ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を指し、漢字の「癌」は上皮細胞から発生する悪性腫瘍に限って使うとされていますが、特に区別しないこともあります。

 

がんの分類

がんの発生と進行

 多くのがんは、以下の(1)~(5)の段階を経て発生、進行することが分かっています。

がんの発生と進行
出典:がん情報サービス

(1)正常な組織
(2)正常な組織の中に、遺伝子が傷ついた(変異した)異常な細胞ができる
(3)異常な細胞の中で複数の遺伝子の変異が蓄積して増殖が止まらなくなり、腫瘍(かたまり)を作る
(4)浸潤:異常な細胞が、基底膜(上皮と間質の境目にある膜)を越えて広がる
(5)転移:血管などに入り込んで全身に広がる
 

 


※上皮に発生したがんがまだ上皮内にとどまっていて、基底膜を越えていないとき、これを上皮内がんといいます。がん細胞が、血管などが多い間質に達していないため、転移していることはほとんどありません。

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