江南市立学校におけるカスタマーハラスメントに対する基本方針
基本的な考え方
江南市教育委員会(以下「本委員会」という。)及び江南市立学校(以下「学校」という)は、児童生徒の豊かな学びと健やかな成長を第一に考え、保護者や地域住民等の声に真摯に耳を傾けながら、それぞれの役割を意識し、連携・協働して学校運営および教育活動に努めています。保護者や地域住民等から寄せられる意見や要望は、学校運営や教育活動を改善・向上させる上で貴重なものであることから、その趣旨を十分に受け止め、誠実かつ丁寧に対応しています。
一方で、学校や教職員に対して寄せられる言動の中には、社会通念上相当な範囲を超える不当な要求や威圧的な行為など、カスタマーハラスメントに該当するものが見られます。こうした行為は、教職員の人格や尊厳を傷つけ、安全で安心して働くことができる職場環境を損なうだけでなく、通常業務および健全な教育活動の遂行に重大な支障を生じさせ、結果として他の児童生徒への教育環境の低下を招く重大な問題です。
本委員会は、市立小中学校における教育環境および教育の質の維持・向上を図るとともに、その担い手である教職員の安全・安心を守るため、カスタマーハラスメントに対して組織全体で毅然とした姿勢で対応します。
学校におけるカスタマーハラスメントの定義
学校におけるカスタマーハラスメントとは、(1)教職員の職務に係る保護者・地域住民等からの言動であって、(2)教職員が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えるものにより、(3)教職員が精神的若しくは身体的な苦痛を与えられ、教職員の人格若しくは尊厳が害され、又は教職員の勤務環境が害されることをいいます。
【対象範囲】
・保護者・地域住民等:児童生徒の保護者・親族、地域住民、公共施設利用者のほか、契約事業者等を含みます。
・対象となる教職員:校長・教頭、主幹教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、講師等に加え、事務職員、特別支援学級等支援員、学校図書館司書等、学校運営を支える全ての職員を含みます。
カスタマーハラスメントになり得る主な具体例
主な具体的言動(学校現場における典型例)
(1)要求内容が不当・過剰なもの(社会通念上の相当性を欠く要求)
【理由のない不当な要求】性的要求、教職員のプライバシーへの関与、法令に違反する不当な処理強要
【対応困難・不可能な要求】修学旅行費・教材費・給食費等の不合理な免除要求、事実確認のない不当な担任交代や教職員の解雇・退職要求
【過剰・不当な金銭請求】学校の責務外(家庭内トラブル等)の問題や成績低下・指導への不満を理由とする不当な損害賠償請求
(2)身体的・精神的な攻撃(暴行・脅迫・侮辱行為)
【身体的な攻撃】殴る、蹴る、叩く、物を投げつける、わざとぶつかる、つばを吐きかける等の暴行・傷害行為
【精神的な攻撃・脅迫】暴言、名誉毀損、侮辱、人格(ジェンダーアイデンティティ等を含む)の否定、土下座の強要、不当な謝罪強要
【ネット・SNS上での攻撃】SNS等への悪評やプライバシー情報等の投稿、写真の無断掲載、無断撮影、録音・録画
(3)威圧的な言動(威嚇・高圧的な態度)
【大声・怒鳴り声による威嚇】大声をあげて教職員や周囲を威圧する行為、声を荒らげて執拗に責め立てる高圧的態度
【反社会的な言動】威力や権威(市長や議員との関係等を不当にかたる等)を背景とした暴言・特別取扱いの要求
(4)継続的・執拗な言動(反復要求・不当な追及)
【執拗な繰り返しの追及】同様の質問や主張の執拗な繰り返し、すり替え・揚げ足取り、過度な文書回答の強要
【過度な連絡・訪問強要】同じ内容での度重なる電話やメールの連送、家庭訪問の強要、勤務時間外の過剰な対応等の強要
(5)拘束的な言動(不退去・長時間拘束)
【校内での居座り・不退去】長時間にわたる校内施設への居座り、退去要求に従わない業務妨害行為
【長時間の電話拘束】一方的な主張や怒号による長時間の電話拘束(他の保護者等への対応を著しく阻害)
学校におけるカスタマーハラスメントへの対応
過剰な苦情や不当要求など学校のみでは解決が困難な事案や、法的な検討が必要とされる事案については、スクールロイヤーとの連携体制を活用し、専門的・法的観点からの指導・助言、対応方針の整理等を行うとともに、暴力や犯罪行為等に対しては警察へ通報し、必要な法的措置を講じます。
また、教職員が安心して職務および教育活動に従事できる環境を確保し、児童生徒の学びの場を提供するため、カスタマーハラスメントに対して以下の取組を実施します。
(1)【組織的な対応】カスタマーハラスメントへの対応は、必要に応じて複数の教職員で行う(学年主任や学校管理職等の代行対応を含む)など、組織として対応します。
(2)【対応の打ち切り等】勤務時間外の対応や長時間にわたる拘束(1回の面談・電話で30分程度を一つの目安とします)、執拗な繰り返し(3回以上を一つの目安とします)など、業務に支障を及ぼす場合は、対応を打ち切るなど適切に対応します。
(3)【対応の記録・事実の把握】適切な対応を行うため、必要に応じて会話や通話の録音(電話自動録音機能やICレコーダーの活用)、複数人での対応メモの作成等により事実関係の把握に努めます。
(4)【スクールロイヤー・警察等との連携】悪質な行為、法的対応が必要な事案、または対応が困難な事案については、スクールロイヤー、警察等と連携します。スクールロイヤーによる法的助言や対応方針の整理、警察との連携により毅然かつ適切に対応します。
(5)【教職員への研修】教職員がカスタマーハラスメントに対して適切かつ迅速に対応できるよう、必要な知識や接遇・対応方法に関する研修を実施します。
(6)【教職員のための相談支援】カスタマーハラスメントを受けた教職員が一人で抱え込むことのないよう、相談できる体制を整備するとともに、メンタルヘルスケアを徹底します。また、相談窓口を本委員会とします。
保護者・地域住民への周知・啓発
本委員会及び学校は、保護者や地域住民の皆様との信頼関係を大切にし、誠実で公平な学校運営および教育活動の提供に努めるとともに、ご意見やご要望には丁寧に対応してまいります。一方で、教職員の人格や尊厳を傷つける行為については、本方針に基づき組織として対応いたします。保護者および地域住民への周知・啓発のため、リーフレットを配布します。また、江南市ホームページに本方針及び周知用文書を掲載します。
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