定数改善計画の早期策定・実施と義務教育費国庫負担制度の堅持及び拡充を求める意見書
平成27年委員会提出意見書案第5号(議決日:平成27年9月28日)
未来を担う子供たちが夢や希望を持ち、健やかに成長していくことは、全ての国民の切なる願いである。しかし、学校現場では子供たちの健全育成に向けて真摯に取り組んでいるものの、いじめや不登校、非行問題行動を含めた、子供たちを取り巻く教育課題は依然として克服されていない。また、特別な支援や日本語教育を必要とする子供も多く、一人一人に応じた適切な支援を行うための十分な時間が確保できないなどの課題にも直面している。
昨年度、文部科学省は10年間で3万1,800人の定数改善を図る「新たな教職員定数改善計画案」を打ち出し、概算要求にその初年度分として2,760人の定数改善を盛り込んだものの、学級編成基準の引き下げなど、少人数学級には触れられておらず、不十分なものであった。さらに政府予算においては、500人の加配による定数改善のみにとどまるとともに、教職員定数全体については、昨年度を上回る、子供の自然減に応じた教職員定数減以上の削減がなされ、子供たちの健やかな成長を支えるための施策としては大変不満の残るものであった。少人数学級は、地域・保護者からも一人一人の子供にきめ細やかな対応ができるという声が多く聞かれる。山積する課題に対応し、全ての子供たちに行き届いた教育を行うためにも、少人数学級のさらなる拡充を含めた定数改善計画の早期策定・実施が不可欠である。
また、子供たちが全国どこに住んでいても、機会均等に一定水準の教育を受けられることが憲法上の要請である。しかし、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の国庫負担率は、2分の1から3分の1に引き下げられたままであり、自治体の財政は圧迫されている。教育の機会均等と水準確保のために、義務教育費国庫負担制度の堅持とともに、国庫負担率を2分の1へ復元することは、国が果たさなければならない大きな責任の一つである。
よって貴職においては、平成28年度の政府予算編成に当たり、定数改善計画の早期策定・実施と、義務教育費国庫負担制度の堅持とともに、国庫負担率2分の1への復元に向けて、十分な教育予算を確保されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成27年9月28日
江南市議会
提出先
内閣総理大臣
内閣官房長官
文部科学大臣
財務大臣
総務大臣
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