「緊急事態基本法」の早期制定を求める意見書
平成25年委員会提出意見書案第1号(議決日:平成25年9月26日)
今回の東日本大震災における我が国の対応は、当初「想定外」という言葉に代表されるように、緊急事態における取り組みの甘さを国民と世界に広く知らしめる結果となりました。世界の多数の国々は今回のような大規模自然災害時には「非常事態宣言」を発令し、政府主導のもとに震災救援と復興に対処しているのであります。
我が国のように平時体制のまま国家的緊急事態を乗り切ろうとすると、前衛部隊の自衛隊、警察、消防などの初動態勢、例えば部隊の移動、私有物の撤去、土地の収用などに手間取り、救援活動にさまざまな支障を来し、その結果、さらに被害が拡大するのであります。
また原発事故への初動対応の遅れは、事故情報の第一次発信先が国ではなく、事故を起こした東京電力当事者というところに問題があります。さらに言えば、我が国の憲法はその前文に代表されるように平時を想定した文面となっており、各国に見られるように外部からの武力攻撃、テロや大規模自然災害を想定した「非常事態条項」が明記されていません。平成16年5月にはその不備を補足すべく、民主、自民、公明三党が「緊急事態基本法」の制定で合意しましたが、今日まで置き去りにされています。昨年来、中国漁船尖閣事件、ロシア閣僚級のたび重なる北方領土の訪問、北朝鮮核ミサイルの脅威など、自然災害以外にも国民の生命、財産、安全を脅かす事態が発生しています。よって、国会及び政府におかれては、「緊急事態基本法」を早急に制定されるよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。
平成25年9月26日
江南市議会
提出先
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣
防衛大臣
外務大臣
国土交通大臣
文部科学大臣
経済産業大臣
内閣官房長官
警察庁長官
厚生労働大臣
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